以前の私は、家計簿をつけるために週に1〜2回、机に座って30分から1時間ほど作業していました。Googleスプレッドシートを開いて、カードの明細を反映したり、定期的な支出を書き直したり。自分の資産状況を知りたいのに、その前の入力や修正に時間を使っていたんですね。
以前のスプレッドシートを使った管理方法は、こちらの記事で紹介しています。

今は、自分用の家計簿アプリでその負担がかなり減りました。カード利用の予算を少しずつ紐付け、請求が確定したらCSVを取り込む。手作業は残っていますが、以前と比べると「ほとんど何もしていない感じ」と言いたくなるくらいです。
この家計簿は、ChatGPTやCodexを使いながら作りました。ただ、最初からうまくいったわけではありません。一度は途中で投げ出し、再挑戦でも頓挫しかけています。
今回は、調べものに使っていたAIで、自分の生活に役立つものを作るようになるまでの話を書いてみます。
最初は、AIを調べものに使っていた
AIに興味を持ち始めた頃、私がよく使っていたのはGeminiでした。当時は自分にとって手軽に扱えると感じていて、技術的な調査や、分からないことの確認に使っていました。
そのうち、自然な言葉で指示しながらプログラムを作る「バイブコーディング」の話を目にするようになりました。スマートフォン購入時のAIサービスの利用特典もきっかけになり、自分でも何か作ってみようと思ったんです。
インフラエンジニアとして仕事はしているものの、AIにどう頼めばアプリケーションを完成させられるのかは、まったく別の話でした。YouTubeで設定や進め方を調べながら、Antigravityを使って手探りで作り始めました。
形はできたけれど、うまく動かせなかった
最初の挑戦では、アプリケーションらしい形はできました。でも、正常に動かない。直してほしくても、どう指示すればいいのか分からない。修正を重ねるうちに、自分でも状況を把握できなくなっていきました。
当時は、同じチャットで質問も確認も作成依頼も続けていました。途中で伝えたことが抜けたり、前後の内容が合わなくなったりしても、なぜそうなるのか理解できていませんでした。
結局、そこで一度投げ出しました。しばらくはAIで何かを作ることから離れ、関連する動画もあまり見なくなっていました。
古いゲーミングPCでの音声入力が、再挑戦のきっかけになった
もう一度興味が湧いたのは、ローカルAIを紹介する動画を見たときです。自分のPCでも、思っていた以上のことができるのかもしれない。できるだけ費用をかけずに試す方法を調べ始めました。
そこで相談に使ったのがSakana Chatでした。昔使っていたゲーミングPCのGPUを利用し、Whisperによる音声入力を導入してみることにしました。
これが、自分の中ではかなり大きな成功体験になりました。難しそうだと思っていたことでも、AIと相談しながら手順を進めると、実際に動くところまで持っていける。その感覚を初めてつかめた気がします。
一方、相談を続けると利用上限も気になるようになりました。有料サービスを使うことを考え、ChatGPTとClaudeで迷った末に、Codexを使ってみたいと思い、ChatGPT Plusに加入しました。
自分の家計簿を、もう一度作ってみた
再挑戦したのは、以前うまく作れなかったパーソナル家計簿です。
もともとのスプレッドシートでも、家計管理そのものはできていました。ただ、使い続けるための細かな作業が多かったんです。カードの利用をメモする、確定したCSVを貼り付けて読み替える、年度ごとのシートを作り直す、定期支出が増えたら該当するセルを書き直す。どれも一つひとつは小さな作業ですが、積み重なると面倒でした。
ChatGPTに変えたからといって、すぐ完成したわけではありません。再挑戦でも一度は行き詰まりました。それでも、チャットを分けることや、作業内容を資料にまとめて引き継ぐことを少しずつ覚え、完成まで進められました。
開発の進め方については、「AIとの開発で一番変えたことは、一つのチャットで作り続けないことだった」で詳しく書いています。
家計簿で、日々の作業はどう変わったか
現在は、Gmailに届くカード利用通知を、ChatGPTのスケジュール機能を使ってスプレッドシートへ取り込んでいます。この取り込み処理は家計簿アプリとは別に用意したもので、そのデータを家計簿に反映させています。日々の利用を、自分で最初から入力し直す手間が減りました。
定期的な支出も、アプリ内で設定すれば反映されます。以前のように、月々のセルへ同じ内容を入れて回る必要がなくなりました。
カードの請求が確定したときは、私がCSVをダウンロードしてアプリへ取り込みます。その後の利用額の反映をアプリが処理するので、以前のように明細を貼り付けて手作業で整える負担が減っています。
もう一つ大きいのが、将来の残高を見通しやすくなったことです。以前から残高の予測はしていましたが、今は変更がすぐ反映されます。情報を整えてから確認するまでの手間が少なくなりました。
もちろん、何も操作しなくてよいわけではありません。カード利用をどの予算に紐付けるかは、今も自分で少しずつ確認しています。それでも、まとまった時間を取って家計簿を修正していた頃と比べると、ずいぶん気楽になりました。
自分が面倒に感じていたことが、使い続ける理由になった
振り返ると、AIを使うこと自体より、毎週繰り返していた手間を減らせたことが、今も家計簿を使っている理由です。
音声入力を導入できたことが再挑戦のきっかけになり、家計簿では生活の中の負担が実際に減りました。その一方で、やってみたいことが増えるにつれて、ChatGPTの使用量にも限界を感じるようになりました。
家計簿の開発とほぼ同じ時期に、ローカルAIを動かす専用機の準備も進めていました。こちらは家計簿ほど成果がはっきり出ているわけではなく、今も試行錯誤しています。その経緯は、「RyzenのローカルAIサーバーを買った理由と、使って分かった難しさ」で紹介します。


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